漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

バクマン。に関連して、漫画家崩れについて

前回、ネームしか描かない先生(漫画家)のことを書いた。
「ん?」
と思われた方もいらっしゃるだろう。


原作者がネームまで描く世の中になれば、その手合い(ネームしか描かない先生)は漫画家としては使えない(不要)。
でもその人、原作者になれるのではないか?


はいはい、その通りです。
「漫画家崩れ原作者」はこのように生まれてきます。


このタイプの原作者は、脚本家や小説家よりずっと優秀。
編集者にも面倒をかけない。
漫画というものをよく知っているから。
編集部は、即戦力と認識する。
良いことづくめかもしれない。


漫画家のプロダクションから(普通はアシスタントが独立するものなのだが)、先生が独立してしまって。
チーフアシスタントに向かい、
「俺、原作やるからさ、お前、俺と組まない?」
などと言うわけだ。


絵柄は読者から割と早く飽きられるが、ストーリーが古びるのは遅い。
もう自分の絵は時流に乗れないのだ、と悟った漫画家が転向して、新人に絵を描かせるケースも多い、と思う。
これなどは職業人として非常に賢い「延命策」といえる。


私の頃(70年代)にもこういう人はいた。
絵描きさんと打合せをしている様子を見て、その原稿がネームなので、
「なんじゃこれは?」
と驚いたものだ。
その時の私は、原作は「文」だと思っていたので。