漫画家マンガの世界 by 風媒花

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

男の条件 感想の7

漫画家が当時の少年たちの「なりたい職業」のトップだったとしても、それは現実的ではない、ただの「夢」に過ぎなかったと思う。


本気で漫画家になりたいと思っていた子は(比率的に)少なかった。
その頃の健全な家庭で、子供に漫画家になると言われて喜んで賛成するところはまずなかったはずだ。
私は高校生になっていたが、新聞で「なりたい職業」の記事を見て「はあ、そうですか」と思いはしたものの、自分と結びつけては考えなかった。
(その頃の私は、『なかよし』にホラー漫画の原作を載せていた。
短編の読み切り、本数は忘れた。
それを仕事とは思っていなかった、ということ)


そんな中で私と同年のマイ殿(板橋克己)は、本気だった一人だ。
高校3年の時、漫画家になりたいと宣言し、ご両親を戸惑わせたという。
ご両親の困惑は当たり前、その頃の漫画家の印象は(今でも?)プロスポーツマンや芸能人と変わらない。


そんなものにはまずなれない。
あたら若い時期を無駄にする。
そもそも一生の仕事ではない(続けられない)。
堅い(社会的に信頼度の高い)職業ではない。

私の実家でも(もしなりたいと言っていたら)そう言われたと思う。


ところが板橋は本当にマジで。
高校に籍を置いたまま、松本零士に弟子入りしてしまった。
板橋のその後は、またの機会に書くとして。


親の反応としては、板橋の家も私の家もごく普通だった、と思うのだ。


週刊少年ジャンプは漫画家をプロ野球選手と同じような少年の夢(あこがれ)とみなした。
主人公が幾多の試練を乗り越え漫画家になるストーリーは、『巨人の星』と同様に読者に受け入れられる、と踏んだ。
それが『男の条件』の企画意図だろう。


だから笑っちゃいけない。
いくら主人公が筋骨たくましく描かれていても。


梶原は、『巨人の星』の川崎のぼるの初期の絵を「冷たい」と言っている。
「画風の冷たさが、いま一つ魅力に欠けていた」
と。
(『劇画一代』より)
それがだんだん暖かくなり、乗ってきた、と。


うーん。
私は川崎の『巨人の星』の絵のほうが、『男の条件』の絵よりも好きだ。


これ、いかがでしょうか。
「骨」がとても綺麗でしょう。


私は冷たい絵が好きなんですね!
(メカ絵が好きなんだもんね)