漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

かくかくしかじか 感想の1

梶原一騎は決して好きではないんだが。
(私の神は手塚治虫)
梶原作品について書くと延々書ける。


なんといっても思春期に出会った偉大な才能。
かつ私が通算十年以上お世話になった少年マガジンに、深い関わりがあった作家(原作者)だものだから。
しかし梶原のことばかり書いていると他に触れられない。
『男の条件』と『バクマン!』、そして梶原一騎には、また後で戻ってくるかもしれない。


前回『男の条件』の駄目コーチ、男谷草介のことを書いていたら、『かくかくしかじか』を思い出した。



これは東村アキコの自伝であり「まんが道」。
出てくるコーチは、実際に東村アキコという漫画家を育てた。
『男の条件』は(あんなふうにじゃなく)むしろこういう話にすれば良かったのに、と思わせられる傑作だ。


『かくかくしかじか』は、『男の条件』と、ちょっと見ずいぶん違う。
『かくかくしかじか』の主人公は少女で、時代的にも『男の条件』とは半世紀近くも離れている。
第一、絵ヅラが大きく違う。
少年漫画と少女漫画の絵の違いは大きい。


しかし。
コーチはヘンな人で、竹刀なんか持っているところなど少年漫画っぽくもあるのだ。
※これから感想を書く予定の『そしてボクは外道マンになる』(平松伸二)には、竹刀を持った編集者が出てくる。


しかし、泣ける。
『男の条件』は笑えるのに、だ!


川崎のぼるが『かくかくしかじか』の絵を描いていたらどうなっていたかなあ?と思わず想像してしまった。
(きっと笑えるに違いないけれど)