漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

次女ちゃん

作者こやまこいこは、『宇宙兄弟』の小山宙哉夫人。


※夫妻のインタビューがあった。
https://ddnavi.com/interview/418565/a/


二人の間には、小学5年生の長女と、幼稚園児(5歳)の次女がいる。
ほのぼの子育て漫画である。


子供は変なことを言ったり、したりする。
「そんなのあったり前。
人間として生きていくのに慣れていないんだから。
ズレた言動が修正されていくことを成長って言うのよ。
子供があどけなくなかったら、そっちのほうが変」
などと決めつけてしまうのは凡人。


作者は毎日の子供と家庭のありさまを、
「急ぎすぎないで ちゃんと見ていたい 全部たいせつ」
と書く。
子供を丁寧に観察し、いささかも否定せずに描きとめている。
これは見事な才能である。


読者諸氏は、こんなかわいい子供がほしい、と思うのだろうか。
私は切実に、
「私もこんなふうに子育てをしたかった」
と思った。


私にも二人の娘があり、二人とももう立派な大人だ。
25年間、私も子育てをしてきた。
そのさいちゅうにはイライラすることも多かったし、団地のベランダから子供ごと飛び降りてしまいたい、と考えるくらいまっ暗だったこともあった。
子供はたしかにかわいかったが、この状態から早く解放されたい、と願う気持ちのほうが強かった。
子育てを楽しめなかったのだ。


原因はだいたいわかっている。
私の母も私を楽しんで育てなかった。
彼女は忙しく、かつ悪いことに完全主義者だった。
ピリピリし、怒っていて、楽しいことなど世の中にひとつも存在しない、という無言の声をいつも私に向けて放っていた。


私もこの漫画の作者のような母親に育てられたかった。
こんなにゆーるゆるの絵で、幼い私を描いてくれるような母親がほしかったなあ!