漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

アオイホノオ(19巻)

どうでも良いけど私的なお話。
私には娘が二人おりまして。
二人とも「ご朱印」を集めています。
彼女たちから聞いた「ご朱印エピソード」のひとつ。
関西のさるお寺に、劇画家崩れのお坊さんがいて。
その人の描いてくれるご朱印が物凄くカッコいい、という噂があるそうで。


まあ、あくまで噂なのでその劇画調の(?)ご朱印をうちの娘がゲットした訳ではありません。
がミーハー母である私は、
「きゃー、それほしいー!」
と叫んでしまいました。


きょうびは漫画界も不景気。
人気漫画家もいつ無一文になるかわからない状況だそうで、長く連載を持っていた漫画家ほど(年くっているため)再就職は困難になります。
僧侶というのは漫画家のセカンドステージとして具合のよろしいセレクトなのではないでしょうか。


そりゃ資格はいります。
修行もせにゃなりません。
でも(入門時には)年齢も前歴も問わないのがその道なのではありますまいか。
みほとけは迷える子羊のために常に門を開いてくださっていると、うけたまわります。
(宗教を間違えてる?)


少子化により出産は減っているけど葬儀は増えているはずですし。
いざとなったら托鉢に出る手もありそうですし。
旅のお坊様がザザッと(もちろん筆で)スケブを描いてくれて、それがチョーカッコいいので買ってしまった、なんていうのには憧れるー。
戒名を書いてくれた紙に有難いカットがはいっていた、なんてのも良いんじゃないでしょうか。


で。
枕を終えて(落語みたい)本題。


『アオイホノオ』 島本和彦


ついに19巻。
永遠に漫画家志望者のままかと思われた焔も連載を持つ身となる。
ここまで来ると駄目感が減少し、眼高手低ではないフツーの漫画家だ。
しかも一流の原作者(美味しんぼの、雁屋哲)と組んでの仕事となればフツー以上なのではないか。
出版社は業界一の小学館だし。
もっともっと格下の仕事に甘んじているプロ漫画家だって山ほどいるのだから。
「もうギャグ漫画ではない」
と、私は思った。
「これで笑えとは。
贅沢言うんじゃねー、この野郎っ!」
である。


原作に書かれている物のヴィジュアルイメージが湧かず絵にできないとか、手抜きでごまかそうとして編集者に見抜かれるなんて、誰にでもあるあるだろう。
ページ数を多く描きすぎて慌てて切り貼りした、とかいう逸話は手塚治虫にもあったのじゃなかったか。


あほキャラ(ギャグ)に戻れ焔、などと思いながら読んだのは私だけか?
しかし、ここでギャグに戻れば焔は失業するしかない。


20巻では、いきなり仏門にはいる焔…とは、まさかならないだろうけれど、ね。