漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

先生白書

「幽☆遊☆白書」の冨樫義博のアシだった人が、幽☆遊連載当時を思い起こして描いた実録漫画。

悲惨な現場の描写が、エッセイ漫画調の可愛い絵で救われている。
…と感じたのは、しかし私くらいのものらしく。
Amazonのレビューでは、薄い、薄いとけなされていた。
(本は厚い。中味が薄いという意味)


漫画家を主人公にした漫画で、漫画家当人の描いたものつまり自伝漫画には、生い立ちや自己内部の葛藤やプライベートシーンが多く描かれる。
アシ目線は客観的でクール。
アシの立場は目撃者のそれだからだ。
当人の筆とはまた違った面白さが出て、「これはこれで良いんだけどな」と私は思う。


アシや編集には守秘義務があり、その壁を越えられた作品だけが世に出てくるので、薄くて当然、とも思う。
はっきり言えば、漫画家当人や関係者のオーケーが出ない限り出版はできないのだから、「先生ヨイショ」にならざるをえないだろう。


この作品も、あるいは川三番地のようなギラギラした表現を用いていれば、薄いと言われることもなかったかもしれない。