漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

アシさん(1~3巻)

『アシさん』 タアモ


再びマイミクぱじゃたさんからのご紹介。
ぱじゃたさん、ありがとうございました!


ぱじゃたさん的に表現すると「アシもの」というジャンルの作品。
(同ジャンルの)『漫画アシスタントの日常』では技術論が派手に展開されるが、こちらにはそんなもの(漫画の描き方的なこと)はほとんどない。


とにかくこちら少女漫画なので、同棲していた彼が出ていってショックを受けたとか、漫画家の先生にときめいたとか、先輩アシが「結婚したい」と騒ぎだしたとか…
そんな事件が積み重なっていく。


描かれている漫画家志望者たちの生態は、古い(古すぎる)オタクの私には違和感というか、はるかな隔絶感があった。
そもそも作者名が不思議。
「タアモ?これ名前?」
田中、天野、森田の三人組かい?と思ったりした。
(どうもそうではないらしい)


私は庵野秀明より10歳上。
タアモよりはたぶん40歳ほど上になる。
うちの娘たちより年下かい!と思うと、理解が及ばなくて当然の気さえする。
が、読み進むうち面白さがわかってきたから私もさすがのキャリアだ(自画自賛)。


タアモの絵は下手だと思った。
絵のつたなさが作品世界への没入を阻むが、台詞が滅法楽しい。
ギャグ漫画ではないのに、掛け合いが漫才のようなのだ。
今の子は確かにこう喋る。
この人たちも親に対する言葉遣いは違えるのだろうな、と想像しながら読んだ。


タアモはネーム原作を描けば良いのかな、と思ったりもしたが、幼くてぼーっとした感じのヒロインを描くにはこの絵が合っているのかもしれない。