あしたのジョーに憧れて
特に「バクマン。」に刺激されて、ということではない。
元々、漫画家を主人公にした漫画は好きなのだ。
昔は漫画家は一人で描いているものと思われていた。
アシや原作者の存在は隠ぺいされる傾向にあった。
今はドラマにも漫画家が登場し、アシたちの生態も堂々と描かれるようになった。
これのおかげかな?
(ゲゲゲの女房)
アシも原作者も、日陰の身を嘆かなくてもよくなってきた。
その点では良い時代になったなあ、と思う。
「あしたのジョーに憧れて」(2015年発行)は、私と同じ大過去の人、川三番地が、ちばプロに在籍していた当時の思い出をリアルに綴った「実録ちばプロ」である。
時は昭和50年代。
トーンの重ね貼りだの削りだの効果線だの、アナログ的アシ技の極致が示される。
これが実に見事。
デジタルでは出せないリッチさと重厚感がページから輝き出て、目に迫ってくる。
もっとも背景や効果がキャラより目立っては良くないのだが。
ちばてつやがお好きな人は必見。
(たぶん、ぎゃああああ、と叫ぶだろう)
私もショックを受けた内容があるけれどネタばれになるので書きません。
我が殿(板橋克己、零時社のチーフにしてメカデザイナー)のお言葉をひとつだけ。
「トーンの削りカスを吸い込むと、体に悪いんです」
ううむ、職業病ですな。
(労災認定してもらわなくては…と言っても、もはやトーンを使う漫画家はいない模様)
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