漫画家マンガの世界

漫画家を主人公にしたマンガ「漫画家マンガ」を語ります

バクマン。感想の6

シュージン(主人公の一人)は当たり前のようにネームを書いている。
私などが疑問を呈したら、
「これ以外に原作作法ってあるんですか?」
と聞き返されそうな勢いだ。
そう来られた場合には、
「あるじゃありませんか、小説やシナリオが」
と答えるしか、道は私にはない。


でも考えてみれば、原作者の役割は絵描きさんや編集さんにストーリーを提示することだ。
口で語ってしまったって良いし、凝りまくりたいのなら映画を一本撮って見せたって差し支えはない。
それで漫画が描けるなら、何だって良い。


しかしネームとは、「ほとんど漫画」なのである。
「ネームができちゃっていたら、先生(漫画家)は一体何するの?」


漫画家にもいろいろあって、アシスタントなしで一人で描いている人もいる。
一方、大きなプロダクションを持ち、共同作業・流れ作業で取り組んでいる人もいる。
この二者の中間の形、「先生がネームとキャラの主線を描き、アシスタントがその他を描く」というのが(一番とは言わないが)一般的だ。


連載は、命を削る大仕事なのだ。
アシ抜き(アシスタントなし)では不可能。
まあ実際に一人でやっている人もいるので、奇跡、神のわざ、と言っておくが。


(敢えて誰とは言わないが)「先生の役目は、ネームとキャラの主線」のケースで、原作者がネームを描いてしまったら。
先生はキャラの主線を描くだけでしょう?


いや、キャラの主線までアシに描かせる人もいる、という話も聞いたことがある。
こういう先生はネームを描くしか仕事がない。
先生が描いたネームをアシスタントに渡すと、ベテランアシがキャラを仕上げ、その他のアシが完成原稿にしてしまうそうである。


すると原作者がネームを描いてしまえば、先生はいらない。
てんで不要!


シュージンは平然としているが、やはりこれは恐ろしい世界なのだ。
(と言わざるをえない)